家のテレビに街頭カメラ接続 上海、市民巻き込む監視網

 11月に大規模な行事を控える上海で、監視網が着々と張り巡らされている。治安管理の徹底を目指し、人工知能(AI)搭載の監視カメラや、住宅家電と連動した監視システムも導入している。 上海では11月5日から10日まで中国国際輸入博覧会が開催される。習近平(シーチンピン)国家主席も出席、対外開放政策をアピールする一大イベントだ。会場となる世界最大級のコンベンションセンター周辺では、半年前から最新型の監視カメラの設置が始まった。 カメラは警察のネットワークとつながっていて、歩行者の顔や通行車両のナンバープレートを読み取ると、瞬時に警察のデータベースと照合でき、犯罪容疑者や逃走車両を見つけ出すことができる。設置した業者によると、この半年に会場周辺だけで1万基以上を配備した。 会場近くの上海市長寧区では、新たに「雪亮(シュエリアン)プロジェクト」と呼ばれる監視網の構築に着手した。家庭のテレビと街頭の監視カメラをつなぎ、家にいながらにしてカメラの映像を見られる環境を整備。テレビには警察につながる警報器も設置し、不審者を発見した場合、すぐ通報できる仕組みだ。スマートフォンの専用アプリでも同様のシステムを使用できる。 言わば一般市民を巻き込んだ監視網づくり。「雪亮」は「大衆の目はごまかせない」という意味を持つ。ただ、アプリを介してスマートフォン内の情報が警察側に流出するとの指摘もあり、治安維持の名目で当局による個人の監視がさらに進む懸念がある。(上海=宮嶋加菜子)