先輩風吹かすと本物の風 AI検知、飲み会に貸し出し

 会社の飲み会で上司が「先輩風」を吹かすと、扇風機が回って宴席に本物の風が――。クラフトビール大手の「ヤッホーブルーイング」(本社・長野県軽井沢町)が人工知能(AI)を使って先輩風を体感できるマシンをつくり、忘年会シーズンに向けて企業などに貸し出すサービスを始めた。 「先輩風壱号(いちごう)」と名付けた装置で、上司や先輩が「俺の若いころは」「近ごろの若者は」などと口にすると、椅子の背後に取り付けた6台の扇風機が回り出す。IBM社の「ワトソン」など二つのAIを使い、会話の中から先輩風特有のキーワードを検出。話の長さなどと合わせて数値化し、3段階の強さでファンを回す仕組みだ。AIは約2千の「先輩風ワード」を記憶しているという。 同社が20~50代の会社員らを対象に実施したインターネット調査では、約6割が上司との飲み会で「武勇伝や自慢話を聞かされた」と回答した。先輩風壱号は、フラットで自由な飲み会を広める一環として、社外のプログラマーや造形作家の協力を得て約2カ月かけて製作した。 8月から東京都内のビアレストランに設置し、実際に風が吹く場面をユーチューブで公開したところ、再生回数は170万回を突破。「自分も気づかず吹かせているかも」という反応の一方、「経験を踏まえた助言など、いい先輩風は吹かせて」の声もあったという。 同社の担当者は「マシンが話題になり、飲み会のあり方を考えるきっかけになれば」。装置が東京にあることから、主に首都圏の企業などに貸し出す。募集期間は今月31日まで。スタッフが飲み会に出向き、フラットな関係づくりを支援するサービスもある。いずれも無料。問い合わせはヤッホーブルーイングのお客様窓口(0120・28・4747)へ。(土屋弘)